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お知らせ(NEWS)

小樋山監督インタビュー<後編>

2020/11/03

小樋山監督のラグビー人生を振り返る。
後編は、大学卒業後からの新たな道のりを紹介する。


【伸び悩んだ大学時代】

大学のときは、ポジションはFB(フルバック)でした。誰よりも努力しようと思い、練習に励んでいました。当時、毎日朝練があるわけではなかったのですが、朝グラウンドに行って練習をしたり、授業の合間も練習をしたり、家に帰る前にも坂道ダッシュをしたり。
ですが、今思えば練習量にこだわってしまい、質の伴っていない練習になっていたと思います。自主練をしているというところに満足してしまう部分がありましたね。もっと伸びたいけれど、どういう能力を伸ばさなければいけないのか、その能力を伸ばすにはどんな練習をすれば良いのか、時には休まなければいけないのか。そういったことを一切考えず、とりあえず練習量を重ねようとしていたので、全国レベルで見たときに通用しない自分に腹も立ったし、4年間伸び悩んでいました。不完全燃焼感はやはりありましたね。

※写真提供:ご本人
 

【ついに念願のトップリーグへ】

2012年に大学卒業後、2年間栗田工業で働いていました。当時栗田工業はトップイーストリーグに属していました。
定時までは仕事をし、その後2時間ほど離れた練習場まで行って、練習をするという生活でした。トップリーグのチームとは違い、仕事も練習もきちんと行う、まさに文武両道のような感じでしたね。

栗田工業でラグビーをしていながらも、心のどこかにトップリーグに行きたいという気持ちがありました。
そこで会社を辞めてトライアウトに挑戦しました。トライアウトとは、毎年開催されていて、トップリーグやトップチャレンジリーグの採用の方たちが見に来て、そこで試合や測定を行い、目に付いた選手に各チームから後日連絡がある、というものです。それを受けてNTTドコモレッドハリケーンズ(以下、ドコモ)の方が練習に来ないか、と声を掛けてくださいました。そして2014年にドコモに加入しました。

その次の週から合宿があり、その合宿後に正式に入部する予定だったのですが、その合宿にも参加してほしいと声を掛けていただき、合宿中に契約させていただきました。
嬉しいという気持ちよりも、本当に感謝しかありませんでしたね。自分がラグビーで上を目指したいと言って、2年間しか働くことのできなかった栗田工業の方々も、すごく応援して下さって。後から聞いた話ですが、ドコモは、僕が会社を辞めてまでトップリーガーを目指しているという気持ちや姿勢を評価し、採用してくださったそうです。

※写真提供:ご本人
 

【挑戦の連続】

現役時代の1日の過ごし方としては、朝の6時頃に起床し、9時から練習やトレーニングを行い、午後はミーティングやトレーニングをしていました。練習終わりはリカバリー、夕食をクラブハウスで食べていました。食事に関しては、妻がアスリートフードマイスターの資格を取っていたこともあり、助けてもらっていました。

また、僕は大学院にも通っていたので、19時から22時頃までグロービス経営大学院で経営学やビジネスの勉強をしていました。トレーニング以外の時間をいかに過ごすかが大事だと思い、体験授業に行った後、面白そうだと思ったので入学しました。また、社会人の経験が2年しかなく、引退後ビジネスや社会でも活躍していきたいという想いがあったので、ここで能力を伸ばしたかったので行ってて良かったです。休みの日でも予習や復習をしていたので、今まで生きてきた中で1番しんどい時期でした(笑い)。

また、ドコモに入って3年目に入る前の1月頃、SH(スクラムハーフ)に転向しました。SHをやってみないかと声を掛けていただいて。SH以外のバックスのポジションは経験がありましたが、SHだけは経験のないポジションだったので、それを聞いたときは不安ではありました。
ですが、自分の能力を信じてSHをしてみないかと声を掛けてくださったことはとてもありがたいことだと思い、転向することを決意しました。経験のないポジションだったので、かなり練習しましたね。
SHって、専門職と呼ばれるくらい特別なスキルが求められるポジションなんです。とても難しかったですね。ですが、初めて挑戦できるポジションということをポジティブに捉え、大学時代の反省を生かして、質にもこだわり練習を重ねました。これをやったらどう伸びるのか、長期的に見てこういうところが良くなる、とかを意識していました。まずは基礎を身に付けないといけなかったので、フォームであったり、ボールの投げ方など、そこから練習しました。

SHに転向して2年目のときに、4か月ほどニュージーランドに留学に行き、オールブラックスのコーチの元で基礎をみっちりと教えてもらいました。SHに転向して1年目は、試行錯誤しながらやっていたので、中々自信が持てずにいましたが、留学から帰ってきてからは、やはり自分に自信を持ってプレーすることができました。

※写真提供:ご本人

 

【最後に読者の皆様に一言お願いします。】

いつも温かいご支援、ご声援を賜り誠にありがとうございます。
OB・OGや保護者の皆様、そして応援してくださる全ての皆様のおかげで、日々活動に取り組めております。
皆様に感謝の気持ちを伝えられるよう、「日本一」という目標に向け、真摯に練習に励んで参ります。
今後とも関西学院大学体育会ラグビー部をどうぞよろしくお願いいたします。